推量表現とは?
うちのNBCでサポートを始めた中国輸入初心者の方(経験者でも指摘しないとわからなかった)が社会人の経験上殆どの方がこの推量表現を使用します。
結果ビジネス上でのやりとりで代行担当者は、日本語が完璧でない人が多くお客様がどうしてほしいのかよくわからず、中国工場仕入先にこちらの指示要望を伝える上で混乱を招くことが多いです。
理解不足の小さな混乱は大きなミスにつながるので要注意です。
何故皆さんが推量表現をよく使いまた中国人のコミニュケーションと決定的な違いを説明したいと思います。
またこれは中国輸入を継続すれば必ずぶつかる文化の違いにも通するものがあるかと思います。
日本のビジネス環境で「でしょうか」のような推量的な言い方が好まれる理由には、いくつかの要因があります。
1. 配慮と礼儀
日本の文化では、相手の立場や感情を考慮することが非常に重要です。「でしょうか」のような言い方は、相手に対する配慮を示し、直接的な表現を和らげる効果があります。
2. 和を重視する文化
日本社会では「和」、つまり調和を重視します。断定的な言い方は時として対立を生む可能性があるため、柔らかい表現を使うことで、スムーズなコミュニケーションを促進します。
3. 階層性と上下関係
日本の組織では、上下関係が重視されます。「でしょうか」のような表現は、特に目上の人や顧客に対して使われ、敬意を表すとともに、相手の意見や判断を尊重する姿勢を示します。
4. 間接的コミュニケーション
日本文化では、直接的な表現よりも婉曲的な表現が好まれる傾向があります。これは、相手の面子を立てつつ、自分の意見を伝える方法として機能します。
5. 柔軟性の確保
「でしょうか」のような表現は、状況に応じて柔軟に対応できる余地を残します。これにより、相手の反応を見ながら会話を進められるという利点があります。
6. 不確実性の回避
断定的な表現を避けることで、万が一の誤りや変更の可能性に備えることができます。これは、ビジネス上のリスク管理の一形態とも言えます。
7. 集団主義的思考
日本の文化は比較的集団主義的で、個人の意見を強く主張するよりも、集団の合意を重視する傾向があります。推量的な言い方は、この集団主義的な思考と調和します。
ただし、近年のグローバル化や世代間の価値観の変化に伴い、より直接的なコミュニケーションスタイルを好む傾向も見られるようになってきています。特に国際的なビジネス環境では、明確さと効率性の観点から、より直接的な表現が求められることもあります。
結論として、「でしょうか」のような推量的な言い方は、日本の文化的背景や社会規範に深く根ざしたコミュニケーション戦略の一部と言えます。これらの表現は、相手への配慮、和の維持、柔軟性の確保など、多くの社会的機能を果たしています。しかし、状況や相手によっては、より直接的な表現が適切な場合もあるため、コンテキストに応じて適切なコミュニケーションスタイルを選択することが重要です。
日本式推量表現と中国式コミニュケーションの違い
日本式の推量表現と中国人のコミュニケーションスタイルには、確かに大きな違いがあります。これらの違いを比較して分析してみましょう。
直接性 vs. 間接性:
中国: 一般的に直接的なコミュニケーションを好みます。はっきりと意見を述べ、遠回しな表現を避ける傾向があります。
日本: 間接的な表現を好み、「でしょうか」のような推量表現を多用します。
個人主義 vs. 集団主義
中国: 個人の意見や立場を強く主張することが多く、競争的な環境でも個人の成果を重視します。
日本: 集団の調和を重視し、個人の意見を控えめに表現することが多いです。
階層性の影響
中国: 階層は存在しますが、上司に対しても比較的率直に意見を述べることがあります。
日本: 上下関係を非常に重視し、目上の人に対しては特に婉曲的な表現を用います。
面子(メンツ)の概念
中国: 「面子」は重要ですが、それは主に自分や自分のグループの評判や尊厳を守ることに関連します。
日本: 相手の「面子」を立てることに重点を置き、相手を傷つけないよう配慮します。
効率性 vs. プロセス
中国: 効率性を重視し、迅速な意思決定や行動を好む傾向があります。
日本: プロセスや全員の合意を重視し、時間をかけて慎重に決定を下す傾向があります。
曖昧さへの態度
中国: 曖昧さを避け、明確な答えや結論を求める傾向があります。
日本: 曖昧さを受け入れ、時にはそれを好む傾向があります。これは「でしょうか」のような表現にも表れています。
感情表現
中国: 感情をより はっきりと表現することが多く、議論や対立も厭わない傾向があります。
日本: 感情表現を抑制し、対立を避けるために婉曲的な表現を用いることが多いです。
ビジネス交渉の仕方
中国: より積極的で、時に攻撃的なアプローチを取ることがあります。
日本: 合意形成を重視し、穏やかで長期的な関係構築を目指すアプローチを取ります。
これらの違いは、両国の歴史、文化、社会構造の違いに根ざしています。中国の文化は、長い歴史の中で多様な民族や地域の影響を受け、競争的な環境で発展してきました。一方、日本は島国として比較的同質的な社会を維持し、調和と秩序を重視する文化を発展させてきました。
ただし、これらは一般的な傾向であり、個人差や状況によって異なる場合もあります。また、グローバル化の影響で、両国のコミュニケーションスタイルも徐々に変化しつつあります。特に若い世代や国際的なビジネス環境では、これらの伝統的な違いが薄れてきている場合もあります。
結論として、日本式の推量表現と中国人のコミュニケーションスタイルは、確かに多くの点で対照的です。これらの違いを理解することは、異文化間のコミュニケーションを円滑に進める上で非常に重要です。ただし、ステレオタイプに陥らず、個々の状況や相手に応じて柔軟に対応することが大切です。
推量表現でなくはっきりと伝える
日本語が完璧でない中国側とのやり取りで重要な事はどうしてほしいのかを簡潔にはっきり伝え通じてると思うまで根気よくやり取りする事が重要です。
・指示は箇条書きでチェック
・子供でも理解できるシンプルな日本語を使う
・混乱を避ける意味で1度に1個の依頼
・結果を放置せず常に確認
・間違いは躊躇せず伝える
ビジネス上で日本式の気遣いは無用です。
但し相手も人間、乱暴な言い方や一方的に責め上げるようにするのはお勧めできません
思いやりをもって接する事が大切です
そういった積み重ねが強固な信頼関係を築き財産となります。
まとめ
中国輸入ビジネス上のやり取りで推量表現をなぜ使うと中国側が混乱するのか理解いただけたと思います。
推量表現を注意するだけでも課題の意思疎通が前進すると思われます。
またNBCの連携代行梅桜は推量表現のやり取りに慣れてるので意思疎通は問題ありません
この1年程齟齬からくるミスは殆どありません
まず完璧と言っても過言ではありません。