はじめに
数年前、中国輸入ビジネスのセミナー後の懇親会で印象的な出来事がありました。
主催は私でなかったですが様々な方と歓談していました。
「グレーでも儲かればいいんですよ」
そう言い放った1人の参加者がいたのです。
確かに、短期的に見ればその通りかもしれません。
規制の隙間を縫って、リスクを取って大きく稼ぐ。一見すると合理的な判断に思えます。
しかし私は、その人にこう伝えました。
「グレーはブラックですよ」
彼は驚いたような表情を見せ、首をかしげ不思議そうな顔をしていました。
グレーゾーンの誘惑
中国輸入ビジネスには、確かにグレーゾーンが存在します。
下記に挙げたのは境界線の問題だけでほぼブラックとも言えます
- 商標権の曖昧な商品の販売:権利侵害
- 品質表示の不備:家庭用品表示法
- 関税の申告漏れ:アンダーバリューは脱税(ブラック)です
- PSEマークなど安全基準の軽視:PSEマークの必要な商品を無視して販売すると刑事罰の対象です
- 偽ブランド品のすり抜け販売:わかりやすいブラック
アンダーバリュー(Under Value)とは、貿易における不正取引の一つ。
関税の支払いを安く抑えるために、輸入通関時におけるインボイスの単価・金額等を実際の取引上の金額よりも安く表示させ、 後日実際の取引上の金額にて送金すること。一種の脱税であるため、刑事罰の対象となる。
これらの手法で、短期間に大きな利益を上げる人たちがいました。
特に中国輸入ビジネスが注目され始めた頃は、チェック体制も今ほど厳しくなく、「バレなければOK」という風潮も少なからずありました。
なぜ「グレーはブラック」なのか
しかし、グレーゾーンには明確な問題があります。
グレーゾーンの問題
1. 法的リスクの蓄積
グレーな手法は、いずれ法的な問題に発展します。商標権侵害で訴えられる、税務調査が入る、アカウント停止になる。これらのリスクは時間とともに蓄積されていきます。特に偽物販売は刑事罰の対象となります。
2. プラットフォームの規制強化
Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなどのプラットフォームは、年々規制を強化しています。昨日まで通用していた手法が、今日突然使えなくなることは珍しくありません。
3. 顧客の信頼失墜
グレーな商品で問題が発生すれば、顧客からの信頼は一瞬で失われます。SNSで拡散される現代では、その影響は計り知れません。
4. 持続可能性の欠如
最も重要なのは、グレーな手法では持続可能なビジネスを構築できないということです。
中国輸入ビジネスの現実
あのセミナーから数年が経った今、中国輸入ビジネスの環境は大きく変わりました。
規制の厳格化
- PSE法の厳格な適用
- 商標権侵害への厳しい対応
- 税関での検査強化
- プラットフォームでの出品規制強化
競争の激化
- 参入者の増加
- 価格競争の激化
- 差別化の重要性増大
消費者意識の変化
- 品質への要求水準向上
- 安全性への関心増大
- レビューの影響力拡大
この厳しい環境で生き残っているのは、最初から原理原則に従ってビジネスを構築してきた人たちです。
冒頭で紹介した「グレーでも儲かればいい」と言った人は、予想通り中国輸入ビジネスから撤退しました。
短期的には確かに大きな利益を上げていました。しかし下記のようなことを乗り越えることができなかったのです。
なかば当然の事かと思います。
- フォームでアカウント停止が相次いだ
- 商標権侵害で警告を受けアカウント停止
- 品質問題でクレームが多発した
- プラットフォームの規制強化についていけなくなった
結果として、持続可能なビジネスモデルを構築できず、市場から退場することになったのです。
原理原則に基づいた正攻法が最後に勝つ理由
なぜ原理原則に基づいた正攻法が最終的に勝利するのでしょうか。
1. 信頼という資産の蓄積
原理原則に従ってビジネスを続けることで、顧客、プラットフォーム、取引先からの信頼が蓄積されます。これは何物にも代えがたい資産となります。
2. 根本的なリスクの回避
表面的な対策ではなく、根本的な問題を避けることで、真の安定経営が可能になります。
3. 本質的な価値創造
短期的な利益追求ではなく、顧客に本当の価値を提供することで、持続的な成長が実現できます。
4. 普遍的な適応力
原理原則は時代や環境が変わっても通用するため、どんな変化にも柔軟に対応できます。
ビジネスの原理原則とは
中国輸入ビジネスにおける原理原則とは:
誠実性
- 法令を遵守する
- 顧客に正直である
- 取引先と公正に向き合う
価値創造
- 顧客の問題を解決する
- 品質にこだわる
- 継続的な改善を行う
長期思考
- 短期的な利益より長期的な信頼を選ぶ
- 持続可能なビジネスモデルを構築する
- 社会的責任を果たす
まとめ
「グレーでも儲かればいい」という考え方は、原理原則から外れた危険な選択です。
中国輸入ビジネスで長期的に成功するためには、小手先のテクニックではなく、ビジネスの原理原則に立ち返ることが重要です。
- 法令遵守という誠実性
- 顧客価値の創造
- 長期的な視点での経営
- 社会的責任の履行
これらの原理原則を守ることが、最終的には最も確実で効率的な成功への道なのです。
グレーはブラック。そして原理原則こそが、変化の激しい中国輸入のビジネス環境で生き残る唯一の方法なのです。
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